派遣社員の年金ってどうなる?知るべき基礎知識や加入条件まとめ

派遣社員として働いていると、正社員と比べて雇用形態が異なるため「正社員に適用される制度は自分にも適用されるのか?」と疑問に持つことがあるのではないでしょうか?

その中でも、疑問に持ちやすいのは“年金”についてでしょう。

「そもそも年金にはどんな種類のものがあるのか?」「派遣社員でも年金制度はあるのか?」など疑問を抱えている方は多いはずです。

そこで今回は、派遣社員が知るべき“年金”について紹介していきます。

もちろん「知らなかった」では済まされない問題ですので、知識をつけて正しい対応ができるようにしていきましょう。

目次

そもそも年金って?派遣社員が知るべき基礎知識

“年金制度”に対して、「若いうちにお金を払って、老後の生活に備えるもの」と理解している方は多いはずです。

もちろんこの認識は正しいものですが、これ以上の知識を持っている方というのは意外に多くはありません。

派遣社員の方の中には、「年金にはどんな種類のものがあるのか?」「どんな人が入るのか?」「正社員と派遣社員で利用する制度は変わるのか?」などの多くの疑問を持ちながらも、“そのまま”にしている方が多いのではないでしょうか?

ここでは、年金制度の“種類”や“加入条件”、派遣社員が加入するべきものについて紹介していきます。

年金は「国民年金・厚生年金・共済年金」の3種類

ひと言で“年金”と言っても、1種類ではないということはご存知でしょうか? というのも、国が運営するの公的年金には「国民年金・厚生年金・共済年金」の3種類があります。

それぞれの年金には“加入条件”が決められており、

  • 国民年金:20歳以上60歳未満の日本国民
  • 厚生年金:会社で働いている人
  • 共済年金:国会公務員や地方公務員

となっています。

条件を満たした人は等しく加入するのが“義務”であり、「入るかどうかを決められる権利ではない」ということは覚えておくべきです。

つまりは、この加入条件を満たす方は「加入する必要がある」ということ。

もちろん「知らなかった」では済みませんので、制度の種類や加入条件を理解して適切な年金に入るようにしましょう。

派遣社員の年金は「国民年金と厚生年金」の2階建構造

日本における公的年金は“3種類”であり、それぞれに入るための条件が定められています。

この条件に該当する方はたとえ派遣社員であっても等しく「制度に入る必要がある」ため、ただの権利としてではなく“義務”として認識するようにしましょう。

では派遣社員として働く方は、どの制度に入るべきなのでしょうか? それは先述の加入条件からもわかる通り、「国民年金と厚生年金」の2つです。

日本に住む“20歳以上60歳未満”の方が払うべき国民年金はもちろん、派遣社員として“会社に勤める”となれば厚生年金にも加入しなければなりません。

つまり派遣社員の年金制度は、「国民年金と厚生年金の“2階建構造”」と言えるでしょう。

国民年金を払うことは大前提として、会社で働くのであれば正社員や派遣社員など関係なく、国民年金に上乗せする形で厚生年金を支払うことになるのです。

派遣が厚生年金に加入する条件は「時間と期間」

先述の通り、派遣社員が加入するべき年金は“国民年金と厚生年金”です。

しかしここで気をつけたいのは、厚生年金については「無条件で入るわけではない」ということ。

実は厚生年金に加入するためには、ある一定の条件をクリアしなければなりません。

その加入条件としては「労働時間と雇用期間」の2つが存在します。

細かい数字を挙げると、

  • 労働時間:正社員の“4分の3以上”である
  • 雇用期間:“2ヶ月以上”である、もしくはその予定である

という数字に。

この2つをクリアしていれば、たとえ派遣社員であろうとも厚生年金に加入する義務が発生するのです。

これはもし初回契約時にクリアしていないとしても、契約更新時に条件を満たす契約に変更されれば、その時点から入らなければいけないことは覚えておきましょう。

1つ例外として、労働時間が足りていない場合でも、以下の条件を満たせば厚生年金へ入らなければなりません。

  • 1週間の労働時間が20時間以上
  • 雇用期間が1年以上予定されている
  • 給与が月8万円を超えている
  • 学生でない
  • 雇用保険に500人以上加入している企業で働いている

特に派遣社員の方は人それぞれ雇用形態が異なりますので、これらの条件を知ったうえで「自分は条件に合致しているのか?」ということを見直し、決められた制度を利用するようにしましょう。

派遣社員でも厚生年金は条件を満たせば「義務」

ここまで、日本における公的年金制度の種類や加入条件を紹介しました。

ここで気をつけないといけないのは「条件を満たせば加入しなければいけない」ということ。

決して「加入する権利が与えられて、利用するかどうかを選択できる」というわけではないのです。

しかし中には「厚生年金には入りたくない」という方がいるかもしれません。

厚生年金というのは条件をクリアしている以上は入らなければいけませんが、逆に言うと「条件をクリアしていなければ加入できない」ということ。

ですので、意識的に条件を満たさなければ厚生年金へ加入しなくてもいいのです。

具体的な方法としては、「週の労働時間を短く設定する」「2ヶ月以内で終了する短期の仕事をする」などが挙げられます。

ただこれらの方法では、厚生年金へ入らなくて済む一方で「労働時間や雇用期間が減ってしまう」ということは覚えておきましょう。

まとめ

ひと言で“年金”と聞くと「制度の内容がいまいちわからない」「どういう人が加入するのか?」「派遣社員はどうなるのか?」など疑問を持つ方も多いでしょうが、年金の種類やそれぞれの加入条件などを正しく知れば、「自分が入るべき年金は〇〇なんだ」とスムーズに理解できるはずです。

むしろこれらの年金制度の種類や仕組みは、「制度を知らなかった」では済まされません。

万が一、年金への“加入逃れ”などが発覚すれば、過去2年間における未払い分の徴収や、最悪の場合には“刑事罰”が課せられることも。

年金制度に対して知識をつけて適切な制度を利用することは、ある種の“国民の義務”とも言えることなのです。

ただ、中には「どうしても加入したくない」という方もいるでしょう。

その場合はうまく条件をクリアしないように調整し、義務が発生しないような働き方を選択するべきです。

もちろん、厚生年金に加入するにしろしないにしろ、制度に対しての知識をつけることは必要不可欠になります。

まずは知識を身につけて制度を正しく活用できるようにすることが大切です。

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