派遣社員と正社員って何が違うの?仕事内容は?待遇は?徹底解説!

近年、国が推し進めている『働き方改革』。

その改革の中で派遣社員関連の話題も数多く出てきています。

「話題には出てきているものの、派遣社員と正社員の違いをあまり理解できていない…」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もしくは「自分は正社員一筋」と興味を持たれていない方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、今後改革によってどのような働き方をしていくかを選択しやすくなる社会がやってきますので、知っていて損はありません。

そこで、本記事では「派遣社員」と「正社員」の違いについてまとめました。

目次

なぜ派遣社員という働き方が存在するの?正社員との違いは?

日本には勤労の義務がありますので、ある程度の年齢になると働かなければ国の保障を受けることができません。

ですが、働き方に関しては個人の自由です。

世の中には様々な働き方が存在します。

正社員派遣社員はもちろん、アルバイトパートや個人事業主、日雇い労働等…。

派遣社員も数多くある働き方の一つとして存在しています。

かといって、「派遣」という文字だけ見ても内容があまり分からないかと思われます。

そこで本項では、派遣社員とはどのような制度なのかを説明します。

正社員は「無期雇用」、派遣社員は「有期雇用」

正社員と派遣社員は、雇用期間が大きく違います。

正社員は会社と雇用契約を結び仕事を行います。

この際、会社と労働者の間では期限を定めることなく契約が行なわれますので、労働者が希望すれば終身雇用という形をとることができます。

リストラや解雇等の話を聞きますが、基本的に労働者は拒否することも可能です。

反面、派遣社員は派遣先の会社と半年一年などの契約期間を定めて仕事を行います。

つまり契約期間が過ぎれば業務終了で、新たな会社へ行く事となります。

もちろん延長することも可能ですが、延長の期間も決められることになりますので、結局は期限付きで働くという事に変わりはありません。

派遣社員は厳密には、会社にとって「社員」ではない

派遣「社員」なのに?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、社員ではありません。

派遣先の会社、つまり自身が働く会社と自身は契約を結んでいません。

自身が登録している派遣会社と派遣先の会社が契約を結んで、仕事をしているのです。

同じ社内に正社員と派遣社員がいても、厳密には正社員のみを社員と呼ぶことになります。

では、派遣社員はどのような立場なのでしょう。

派遣として働く際はまず派遣会社に登録を行います。

その後仕事先が決まり、派遣会社と仕事先で契約が結ばれます。

その際に、登録している派遣会社と自身の契約が結ばれます。

派遣先での契約が終了すると同時に派遣会社との契約も終了するという仕組みです。

派遣社員はワークライフバランスの満足度が高い

派遣社員は正社員と比べて安定性に欠ける等、マイナスなイメージが多く付いています。

しかし、満足度で見ると正社員よりも良い結果が出ているのです。

人材採用会社のエンジャパンによると、ワークライフバランスの満足度が高い雇用形態についてアンケートを取った結果、2017年まで8年間連続で派遣社員が1位でした。

2018年は契約社員に次いでの2位、正社員は最下位です。

(参考:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/3448.html

このような背景から、近年では働き方改革として、働き方の満足度を上げて行こうという話になっているのです。

派遣社員は満足度が高いが安定性に欠けるので、安定性を向上させるという動きも出ています。

折角働くのだから、満足度が高くないともったいないですからね。

実際のところ、派遣社員と正社員はどっちがいいの?

この記事をご覧になっている方は、ここが一番気になるかもしれませんね。

先に結論を申し上げますと、どちらが良いとは決められません。

どちらにもメリットデメリットはありますし、「働く」という点において優劣はありません。

仕事はご自身の理想とする職種や働き方をよく考えて決定するべきです。

そこで本項では派遣社員と正社員のメリットデメリットなどを説明します。

ここを確認して、自身にとって満足度の高い仕事方法を考えましょう。

派遣社員は、自分のライフスタイルを構築しやすい

ワークライフバランスの満足度が高いと先ほど述べましたが、なぜ満足度が高いのでしょうか?

派遣社員は自身の生活を第一に様々な仕事方法を組み立てることができます。

例えば「自分のやりたいことがあるから、週3回だけ働いて残りの時間をやりたいことに費やしたい」や「残業無しでオンオフをしっかりと切り替えたい」などです。

このような要望を実現するために、派遣会社では様々な会社を選ぶことができます。

正社員は毎日決まった時間働かなくてはなりませんし、残業時間も多く発生します。

その分安定性は高いのですが、毎日の仕事に疲れている方も多く存在しますので、満足度が低くなっていますね。

将来的な給与安定感は正社員に軍配が上がる

正社員は終身雇用を前提として契約を結びます。

ですので若い頃から将来を見据えた働き方を行う会社が多いです。

若手研修や中堅社員研修を行い、将来的には部長などの重要な役職を目指します。

その分会社への貢献度などが評価されていきますので、給料は年齢を重ねるごとに多くなっていきます。

また終身雇用ですので自身が罪を犯すなどの不手際が無い限りは希望すればその会社に居続けることが可能です。

契約社員は期間が決まっていますので、将来を見越しての昇給などがありません。

また、契約期間が終わると会社側に今後の決定権があることも特徴の一つです。

自身がどれだけその会社で働きたくても、会社側から契約を打ち切られてしまいますと働くことはできません。

そのような点から安定性が低いと言われています。

会社が合わなくても、派遣社員なら職場を変えやすい

何度も記載していますが、正社員は終身雇用が前提です。

会社も将来を見越して、お金を使って社員を育てていきます。

あまり会社を変えることを考えられていないので、いざ仕事を辞める際にも引き留めが多く苦労するケースも見受けられます。

正社員として入社し、仕事をしていく中でその会社が合わないと感じても、我慢して仕事をしている人もいるでしょう。

その結果、鬱などの病気にかかってしまう可能性もあります。

派遣社員は期限が決められているのである程度我慢すれば職場を変更することができます。

会社を変えていって、自分に合った会社を見つけることも可能です。

そこで長期で働くことができるようになれば満足度は高いですよね。

正社員で会社を何度も変更すると給料は下がっていきますが、派遣社員は変更を前提としていますので、給料が下がることはほぼありません。

派遣社員の仕事って忙しい?どのような仕事をするの?給料は安い?

派遣社員という働き方については述べましたが、実際にどのような仕事を行っていくのでしょうか。

仕事内容は企業によってまちまちですので一概に決めつけることはできませんが、ある程度期限の中でできる仕事というのが多いでしょう。

また、派遣社員は「給料が安い」と言われることが多いですが、実際にどのような給与体系なのかも知りたいですよね。

本項では派遣社員の仕事内容と給料について説明します。

正社員と比べて、責任の軽い仕事を任せられやすい

正社員は将来を見据えて、多くの仕事を任されることが多いです。

自身が部長になってマネジメントを行っていくには、様々な仕事内容を把握しておかなければなりません。

ですので若いうちからたくさんの仕事を与えられます。

また「上司は謝るのが仕事」というほど、立場が上がれば上がるほど責任感のある仕事が増えていきます。

派遣社員は雇用期間内で最大限の力を発揮してもらうために、短い期間で完結できるような仕事が多いです。

短い期間での仕事は比較的やり直しが効きやすいですし、最終的に社員の方がチェックを行うなど、自分で決定権を持つことは少ないでしょう。

そういった点から、派遣社員は責任感の軽い仕事が多いという事が言えます。

派遣社員は拘束時間が比較的短く、残業代も支払われる

派遣社員は時間給で給料が支払われます。

そして、残業代は確実に支払われるような契約体系をとっています。

ですので長い時間働くことは会社にとっても費用がかさむのであまり良くありません。

会社の繁忙期などで残業が増えてしまう事もあるかもしれませんが、仕事量も正社員と比べると多くないので、正社員より早く帰社することが大半です。

正社員は長期的な仕事も抱えているので必然的に仕事量が多く、拘束時間は長くなります。

更に残業代が一律の会社も多く存在しますので、どれだけ働いても給料は一定の可能性もあります。

働いた分だけ給料がしっかりと支給されるという点は派遣社員にとって保障されているメリットの一つです。

決して派遣社員の給料が安いわけでは無い。

派遣社員の時間給は全国平均で1,500円程と言われています。

20代の正社員の平均年収は346万円です。

年間休日が120日とすると、1日当たりの給料は1万4千円となり、1日8時間で時給約1,700円です。

あまり差がありませんよね。

仮に残業代が出ない会社だと、残業が増えれば増えるほど時給換算は下がっていきます。

40代50代となると正社員のほうが貰っている給料は多くなる傾向にあります。

ですが派遣社員と言えども本人の頑張り次第で時給を上げる事ができますし、正社員より多く給料をもらっている方もいらっしゃいます。

派遣社員は多くの会社で経験を積むことができるので、どれだけ自分のスキルを上げて行く事ができるかが重要ですね。

派遣社員って、会社から見てどのような役割を持っているの?

「そもそも派遣社員なんか雇わずに、正社員だけでいいのでは?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが経営者からすると、この考え方は非常に難しいのです。

会社からすれば正社員が一概に良いというわけではありませんし、職種内容によってはわざわざ派遣会社を通して派遣社員を雇ったほうが良いという事案もあります。

本項では、会社から見た派遣社員の役割について説明します。

派遣社員を雇うことは企業にとってもメリットがある

毎年多くの学生が就職に向けて説明会などに参加します。

ですがこの説明会って無料では行えませんよね。

学生にとっては無料でも、企業には多くの費用が掛かります。

中途採用の場合でも、広告費を支払って求人募集を行い、多くの希望者の中から時間をかけて採用者を決定します。

このように時間と費用を使って採用した正社員の仕事内容が簡単な提携業務だと少し損した気分になりませんか?将来を見据えたプロジェクトだけではなく、日々の単純作業も立派な仕事の一つです。

この場合は短期的に派遣社員を雇ったほうが、企業にとってもコストを抑えて優秀な人材を確保することができるのです。

他にも、労災や有給などの手続きも派遣会社が行なうことになるので、事務作業の時間も削減されるといったメリットがあります。

「派遣切り」等、契約面で弱い立場になることが多い

会社は、派遣会社と契約を行っている為、実際に働いている人との雇用関係は一切ありません。

ですので、実際に働いている人がどれだけ要望を出そうとも、会社からすれば一切聞かなくてよいのです。

そうなると、企業の業績が悪化するなどで人員削減が求められた際に、真っ先に対象に挙がるのが派遣社員です。

正社員を会社都合で退職させることは大きな労力が必要ですが、派遣社員はそもそも短期間での契約ですので、契約破棄を行うことは容易です。

働いている側の人間からすればたまったものではありませんが、意見する権利もなく契約を破棄されてしまいます。

会社側に雇用の権利を持たれているという点では、デメリットと言えるでしょう。

派遣社員から正社員になるケースもある。

派遣社員として働いている中で、正社員を目指しているという方も多く存在します。

派遣社員として働いていても、時には正社員を上回る働きぶりを見せ、活躍する事もあるでしょう。

会社も優秀な人材であれば将来を見越して成長させたいと考えます。

ですが、派遣社員には契約期間があるので期間を過ぎると仕事を行えません。

そこで、会社側から正社員に登用するという条件を提示されることもあります。

会社側からすれば派遣会社に手数料を取られていますし、求人コストなども少なく済みますので非常に大きなメリットがあります。

そういった点を考えて、派遣社員から雇う企業も少なくありません。

あくまでもこのケースは会社に仕組みがあって、本人が努力をした場合にのみ適用されます。

ですが将来の働き方を考えるにあたって、正社員を目指す方向を無くさないという事は重要かもしれません。

まとめ

いかがでしょうか。

どのような働き方にもメリット、デメリットは存在します。

決して「派遣が悪い」「正社員が良い」と決めつけられるようなものではありません。

派遣社員には派遣社員なりの、正社員には正社員なりの悩みが存在するかと思われます。

そのような時に重要なのが、自分がどのように働きたいか、将来どうなりたいかを考える事です。

自分のなりたい姿を想像して、後悔の無いような働き方を選択する事が重要になってきます。

国も働き方を選びやすくなるように改革を進めていますし、今以上にやり直しが効く社会に変化しつつあります。

今一度仕組みや制度をしっかりと理解して、充実した生活を送れるように努めましょう!

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