派遣社員も社会保険に入れる!保険の内容や加入するための条件とは?

派遣社員として働くなかで、“社会保険”に対して疑問を持つ方は少なくないでしょう。

「どんなものがあるのか?」「自分はどんなものに入れるのか?」「入らないといけないのか?」など、保険と聞いても少しぼやっとしていて、わかりにくさを感じるのではないでしょうか?

実は、条件さえ合えば派遣社員の方でも保険へ入ることができます。

派遣社員は人によって雇用形態が異なり個人での判断がむずかしいですが、むしろ条件を満たしていれば“入らなければいけない”のです。

これは「知らなかった」では済まされませんし、これを機に正しい知識をつけて自身が入るべき保険と向き合う必要があります。

そこで今回は、社会保険の言葉の意味や入る条件を見ていきます。

目次

社会保険とは「5種類の公的な保険を表す総称」

社会保険と聞くとかなりぼやっとしていて、わかりにくさを感じる方も少なくないでしょう。

実はこの“社会保険”とはひとつのものを表す言葉ではなく、「健康保険・厚生年金保険・雇用保険・介護保険・労災保険」を表す総称なのです。

そしてこれらの保険には入るうえでの条件があり、その条件を満たしたと同時に保険に入る“義務”が与えられます。

中でも“労災保険”は働きはじめたのと同時に義務が発生するため、現在派遣社員として働いている方はすでに入っているはずです。

ただ他の保険では、雇用形態(労働時間や雇用期間)により加入が必要か否かが変わってきます。

まずは自身の雇用形態を見直して、「自分は入るべきなのか?」ということを判断しましょう。

派遣社員は保険に入れる!必要な加入条件とは?

先述のとおり、派遣社員であろうとも社会保険へ入ることはできます。

しかし入るためには、決められた条件を満たすことが絶対となります。

もちろんその“条件”は一律ではなく、保険によってさまざま。

ですので「それぞれの保険へ入るためには何が必要で、何をすれば派遣社員に適用されるのか?」について知っておくことが大切です。

そこでここからは、派遣社員がそれぞれの保険に入るうえでの“条件”について見ていきましょう。

健康保険・厚生年金保険・介護保険の場合

派遣社員が「健康保険・厚生年金保険・介護保険」の3つへ入る条件として、

  • 週および月の労働時間が正社員の“4分の3以上”である
  • 雇用期間が“2ヶ月”を超える、またはその見込みがある

という2つが共通してあります。

これに“年齢の制限”(健康保険:75歳未満、介護保険:満40歳以上65歳未満、厚生年金保険:70歳未満)が加わり、この3つの条件を満たした時点でこれらの保険へ入ることが義務付けられるのです。

また、仮に初回契約時に3つの条件を満たしていなくても、契約更新時に必要な条件を満たすような契約に変更されれば、保険への加入義務が発生します。

このことを「わからない」ままにすれば、あなたが損をしてしまう可能性も考えられるため注意しておきましょう。

派遣社員が“雇用保険”に加入する場合

続いては、派遣社員の“雇用保険”について。

他の保険では同一の条件を満たせば問題なかったのですが、雇用保険では条件が多少異なりますので注意しておくべきでしょう。

派遣社員が「雇用保険」に入る条件としては、

  • 週の労働時間が20時間以上
  • 31日以上雇用されることが見込まれる

という2つが挙げられます。

これを見ればわかるように、他の保険と比べると「条件が多少ゆるい」とも言えるでしょう。

ですので、他の保険へ入る条件さえ満たせば、雇用保険へ入る条件も自然に満たすことになります。

もちろん雇用保険も他と同様で、初回契約時に条件を満たしていなかったとしても「契約更新時に条件を満たすような契約に変更されれば、入る義務が課せられる」ということは覚えておきましょう。

労働時間が足りなくても入れるケースも

ここまで、派遣社員が社会保険に入る条件を紹介しました。

雇用保険は別として、中には「全部を満たすのは厳しそう…」と感じる方もいるのではないでしょうか?

しかし例外として、週の労働時間が30時間以下となる“短時間労働者”であっても、ある条件さえ満たせば保険へ入れるケースがあるのです。

  • 週の労働時間:20時間以上
  • 収入:月8万円以上、年106万円以上
  • 雇用期間:1年以上となる予定がある
  • 学生ではない
  • 厚生年金保険の被保険者数が500人を超える企業で働くこと

という5つさえ満たせば、短時間労働者に該当する方でも入ることが可能となります。

ですので「時間が短い派遣社員だから保険に入るのなんて無理だろう…」と悲観はせず、しっかりと知識をつけたうえでの対応を心がけましょう。

条件が合えば派遣社員でも保険への加入義務が発生

ここまで社会保険と呼ばれる“5つの保険”について、派遣社員が入るための条件を紹介しました。

条件さえ満たせば保険に入れるため、条件を知ったうえで「自分はどのようなものなら入れるのか?」ということを見直してみましょう。

しかし中には、「社会保険には入らない」と考える方がいるかもしれません。

ただここで気をつけたいのが、「条件を満たせば入れる」のではなく「条件を満たせば“入らなければいけない”」ということ。

つまりは“義務”が課せられるのです。

いくら「保険に入る意思はない」と考えていても、派遣社員でも条件を満たせば”義務”として保険に入ることになります。

これは派遣社員であるあなた個人としてだけではなく、会社としての義務だということも覚えておきましょう。

まとめ

派遣社員の社会保険と聞いて、わかりにくさを感じてしまう方は少なくないでしょう。

そのうえ派遣社員として働くとなれば、「派遣社員は保険に入れるのか?」「そもそもどんな保険があるのか?」と悩んでしまうのも無理はありません。

しかし社会保険の詳細やそれぞれに入る条件を知り、自身の雇用形態と照らし合わせれば理解しやすいはずですし、「この場合はどうすればいいのか?」と悩むことも減るはずです。

まずは保険に関する知識をつけたうえで、正しい対応を心がげていきましょう。

1点気をつけるべきなのが「条件と合致している人は社会保険に入る“義務”が発生する」ということ。

保険をただの“権利”だと勘違いしたままではいけません。

ですので、仮に保険に入りたくない方は「条件を満たさないようにする」という選択肢も考えましょう。

ただ社会保険は便利なサービスでもありますので、正しい知識をつけて有効活用することをおすすめします。

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