これから派遣社員として働くことを考えている人は、派遣先での仕事の内容と同時に気になるのは残業についてではないでしょうか。
派遣の働き方は自分のライフスタイルに合わせて、仕事の内容や派遣会社を選ぶことができる働き方です。
ここでは派遣社員として働く場合に知っておきたいことの中でも、残業と残業代についての法律と、派遣先での実態などについて解説していきます。
派遣契約前に知っておくと契約外の仕事の依頼や、その他のトラブルを事前に防ぐことにもなりますので、是非参考にして今後の就職活動に役立てましょう。
派遣社員って残業していいの?してもいいなら月にどれくらい?
派遣会社で働くことが決定した場合、どの位の残業時間があるのかどうかが気になります。
通常は、派遣会社が登録している派遣スタッフに仕事提示の際に、残業の有無について説明することが一般的です。
派遣登録している人は、この派遣会社側が説明する仕事の内容から、ある程度残業の状況について分かります。
もし派遣会社もはっきりとしたことが分からない場合は、派遣先企業にまず確認してもらってから再度連絡してもらうということも可能なのです。
ここでは、派遣先で勤務した場合の実際の残業の状況について紹介していきます。
派遣先の会社により変わってくることが多い、月の残業時間
実際に派遣先で勤務することになったら、毎日の残業時間についてはどのようになるのでしょうか。
派遣社員は現在たいへん多くの職種でさまざまな業界へ派遣されています。
このことから考えても、各派遣先や所属する部署によって、残業時間が全く違ってくるといえるでしょう。
また同じ派遣会社から数人が派遣社員として同じ派遣先で働く場合でも、同じ立場の派遣社員でもその配属先によって残業の有無や残業時間が全く違うということが実際あります。
これらの事情から、派遣社員が事前にしておくべきこととは、派遣会社から仕事を紹介されたときに、自分の希望する残業時間内の仕事であるかを判断して面談を希望するか判断するとよいでしょう。
また詳細は企業との面談で直接聞き、そこで残業時間を含めた仕事の内容が実際可能かどうか判断する、ということでもよいでしょう。
担当業務や繁忙期・閑散期でも残業時間に違いがある
派遣される会社と部署によって残業時間違うということは紹介しましたが、1年の間でも残業が多い時期とほとんど残業がない時期がある企業もあります。
この状況下で働く派遣社員は、会社の仕事量によって残業時間も大幅に変わります。
残業が多くなる時期の繁忙期には、どの位の残業時間になるのかどうかについて、派遣先の担当者か派遣元の担当者に質問して情報を得ることは自分で準備や心構えができます。
もし同じ派遣先の同じ部署に派遣社員がいる場合には、その人がどの位残業をしているのかを聞くこともできるでしょう。
また以前の派遣社員が同じ派遣会社の人であれば、その人の残業実績から状況をみてとることができます。
事前にさまざまな情報を得ておくと安心につながるのではないでしょうか。
派遣社員が勤務先で残業をした場合の残業代の計算方法について
派遣社員が残業をする場合の残業代について解説します。
派遣社員は派遣会社の社員という位置付けですので、残業代も派遣会社から支給がなされます。
しかし実際に勤務しているのは派遣先企業ですので、残業時間は派遣先の企業も把握する必要があるのです。
派遣社員の残業代の割合は労働基準法で定めた割合です。
これは社員・派遣社員・パートなどどの形態で働く人であっても法律上に沿った割合で払わなくてはならないのです。
その内容は「1週間で40時間、1日に8時間を超えて労働する場合は、残業として扱い通常の賃金125%増しの割増賃金を支払わなければならない」というものです。
しかし業務内容によっては例外制度もあります。
労働基準法では日の勤務で8時間以上勤務すると、割増賃金が支払われます。
割増賃金は派遣先の就業時間により変わってきますので、詳しくは契約書に明記してある時間外労働の欄をみて確認しましょう。
派遣社員と残業時間の制度について。
最大残業時間についての解説
現在は会社の中では社員・派遣社員・アルバイト・パートなど、さまざまな形態で働く人が混在しています。
雇用形態によって残業時間が変わるということではない現状です。
むしろ自分の担当している仕事で残業の有無や残業時間が決まってくるといえるのです。
派遣社員の残業時間の取り決めについては派遣元の派遣会社の労働規則が適用されます。
しかし実際に勤務している派遣先では、仕事は上司の指示のもとで行いますので、残業指示も派遣先の上司が行います。
最大の残業労働時間は、基本は労働基準法に決めた範囲内で行います。
労使間で36協定を結んでいれば、その時間内で残業時間を収めなければなりません。
この法律では1ヶ月の残業時間は45時間、1週間では15時間となっています。
派遣先で残業を強制的に指示された場合の対処法。
事前に知っておきたいこと
派遣先では細かい相違や問題が起きることがあります。
急な残業の依頼もその一つでしょう。
派遣前の面談では「月末は忙しい」「年度末は忙しい」など時期的な繁忙期について説明があり、その時期は残業が多くなるとの話があり自分も了承していたと想定します。
しかし実際は繁忙期以外の日にも急な残業が発生する場合は、どう対処すればよいのでしょうか。
派遣社員は派遣先の指揮者の指示で仕事をしますが、派遣社員が元々「残業が月に何時間以内までなら対応できます」など自分の都合がある人は、その条件内容を契約時に理解しておいてもらうべきです。
その上で度々範囲を超えた残業を行うように求めらてきた場合は、すぐに派遣元の会社に相談しましょう。
会社の雰囲気がなかなか言い出しにくく感じても、始めの対応が大事ですのでしっかりと対策すようにしましょう。
派遣先で全く残業がない職場の場合。
自身が残業希望の時の方法
派遣先の企業が抱えている仕事量や案件は、その会社ごとで全く違います。
もし派遣社員が毎月残業を多く希望していて、派遣先では仕事量が少なく残業がない場合はどのように対応したらよいでしょうか。
まず仕事をしている周りの人の状況を観察してみましょう。
自分以外のスタッフ全員が忙しい場合と、職場全体で残業がないという場合もあります。
もし忙しい時期には、さらに多くの残業ができるという派遣社員はまずは直属の上司にその旨を相談してみましょう。
派遣先によっては経費節減で、派遣社員には残業をさせないという方針の会社もあるのです。
相談後に残業の追加の承認がでた場合は、他の人の業務を手伝うという対応で残業をするという方法もあるのです。
派遣先で急な残業の依頼があった場合。
上手く断る方法について
派遣で仕事をしている人は、決まった時間内で仕事を片付け、あとは自分の自己啓発や勉強、スポーツなどの自由な時間にしたい、という理由で派遣を選ぶという人も多いのではないでしょうか。
派遣社員として働きたいという人は明確な理由があるケースも多いのです。
さまざまな事情から特定の曜日には残業ができない、家族の事情があり全く残業ができない、などの状況の人が急に残業の依頼があった場合にはどのように断ったらよいのでしょうか?
もし全く残業ができないという人は周りの人にも早い段階でそのことを伝えておきましょう。
本来であれば指揮官である上司が、派遣社員が仕事をスタートする時点で他の社員にそのことを伝えるべきなのですが、きちんと伝わっていないこともあり得ます。
今後のことも考えトラブルを避ける為に配属後すぐに伝える必要があるでしょう。
残業ができない状況で派遣社員を希望する場合は、契約する時に話し合おう
派遣社員が所属先で仕事をする場合、自分の条件に沿った仕事内容や勤務時間の契約を結ぶことが重要です。
派遣先の企業紹介の段階で、その条件について話しをして「それでも派遣社員として是非仕事をお願いしたい」ということであれば、終業後も特に問題は発生しないでしょう。
しかし、派遣先の仕事が他の派遣会社の候補と競合していて、面談でどうしても自分をPRして採用になりたいという場合は、なかなか残業についての条件を切り出しにくいかもしれません。
このような場合は派遣会社の担当者から、この事情を説明してもらうことをお薦めします。
労働環境や条件の細かな交渉をすることは、派遣元の会社がしなくてはならない業務なのです。
派遣社員は遠慮することなく、契約する前から残業について相談をすることができることを覚えておきましょう。
まとめ
ここまで派遣という立場で働くときの、残業時間や残業に関しての法律、残業をするときや断るときの方法などについて解説してきました。
正社員で働く場合と同じように、派遣社員も残業をする環境かどうかとその時間数は企業によって全く異なります。
実際に勤めなければ分からないということも、たくさんあるという現状です。
今後、派遣先で負担なくストレスなく働くためには、「言わなくても分かってくれているだろう」という考えで、以心伝心のつもりではいろいろと問題が起きることもあるのです。
派遣社員は自分自身が、残業などの業務の条件を交渉して働きやすい環境に整えるということも必要です。
派遣会社が知らないうちに全部を代行してくれる訳ではありませんので、今後は自分で働きかけて環境をよくするという努力が必要になるでしょう。