求人情報の疑問!「バイト」と「パート」の違いってあるの?

バイトの求人誌やスーパーやコンビニなどに貼られている求人ポスターを眺めていて、何か疑問に感じたことはありませんか?実は、募集の文言に「バイト募集」と「パート募集」の2種類が存在していることをご存知でしょうか?

別々の呼び方が存在するということは何か募集内容に違いがあるのかと思ったら、実は特徴的な違いはまったく見られません。

そこで本記事では、バイトとパート、この2つの言葉に違いがあるのかについて詳しく紹介していきます!

目次

法律的に言葉の意味合いの違いはあるのか?

意味の違いを判断する基準のひとつとして、法律的にどのように違いがみられるかを見ていきましょう。労働者の区分は労働基準法などにより定められています。

もし法律的な見方においてバイトとパートの性質が異なるものであったら、もちろん私たちが実際に働くときにも何かしらの違いが生まれます。特に労働関係の法律や休暇、保険など、労働者にとっては重要な事柄にも関わるので法律的な違いがあるのか知っておきたいところです。果たして法律的に違いはあるのでしょうか?

法律的な意味の違いはなく、いずれも「労働者」である

実は、法律的にはバイトもパートも同じです。法律ではどちらも「1週間の所定労働時間が通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。

なので、フルタイムで働いている正社員と比較して「短時間労働者」と分けられることはありますが、バイトとパートはいずれも短時間労働者の括りに入ります。

実はバイトやパート含め、正社員や契約社員、臨時社員などがすべてひっくるめて労働基準法では「労働者」という呼称になっています。

また、バイト・パートの公正な処遇を保証するための「パートタイム労働法」という法律があります。この法律でもバイトとパートはいずれも同じ区分にされています。このことからもわかるように、あくまで呼び方が分けられているのは法律外の事情が関係しています。

バイトもパートも福利厚生や社会保険などの保障を受けられる

知識としてぜひとも覚えておきたいこととして、バイトやパートも福利厚生や社会保険などの待遇も正社員と同じように保証されているという点があります。

なので、会社で定められている条件を満たせば正社員のように有給休暇を取得することももちろん可能ですし、健康保険や厚生年金などの社会保険の加入対象にもなれます。

上記のような保障制度は正社員にならないと受けることが出来ないと思い込んでいる人がいますが、実はまったくそのようなことはありません。バイト・パートと正社員の待遇に格差を設けることは、「パートタイム労働法」というパートやバイトが公正な処遇を受けられることを目的とした法律で禁止されていますので安心してくださいね。

法律では区別がないのにいまだに使い分けがされている事情

法律上では意味は一緒なのに、なぜ未だに求人の募集の文言では使い分けがされているのでしょうか?

実は、たとえ法律では同じ意味合いでも、世間では「バイトとパートでは違いがある」というイメージが浸透しており、企業でも募集の対象となる人が前述のようなイメージを持っているため、独自にそれぞれの定義を決めて求人を出しているところが多いのです。

独自の基準によるバイトとパートの分類は特に法的に問題になることはないため、求人情報でも統一されることはありません。なので、希望のバイトに応募する時は果たして意味の違いがあるのかを確認をしていく必要がありますね。

では、世間と会社ではどのような使い分けがされているのでしょうか?以下に紹介していきます!

世間一般にイメージされているバイトとパートのイメージは?

皆さんは「バイト」はどういう人が働いており、「パート」はどのような人が働いているのか頭の中にイメージがありますか?まず、「バイト」に関してはこのようなイメージを抱く人が多いです。

  • 学生やフリーターが多く働いている
  • だいたい1~3年くらいの期間で働く人が多い
  • 働く日も休み日も比較的自由度が高そう
  • 重要な仕事よりも誰にでも出来る仕事が多い

対して「パート」に関しては以下のようなイメージを抱く人が多いようです。

  • 主婦やおばちゃんが良く働いているイメージ
  • 10年近く働いているベテランが多いイメージ
  • ほとんど社員と同じくらい働いていそう
  • 権力がある人や大事な仕事を任されている人がいる

この特徴を見ていくと、イメージの差が生まれている要素には共通点が見られることが分かります。

年齢層・勤務期間・仕事の責任に違いがある傾向にある

上記に見られる違いの特徴としては、まずは「年齢層の違い」ですね。アルバイトは学生などの若者、パートは主婦層というイメージは特に強いのではないでしょうか。そして、「勤務期間の長さ」や「仕事の責任の大きさ」にも違いがあるという風に感じている人も多くいらっしゃるようです。

なぜこのようなイメージを持たれるようになったのでしょうか?その理由として考えられる原因がふたつあります。

ひとつは前述した会社の求人が社会のイメージに合わせて独自の基準を定めていることです。これについては後ほど詳しく解説します。そしてもうひとつが、これら2つの言葉が使われ始めた歴史にあると考えられます。この歴史について以下に解説していきます!

「バイト」と「パート」が使われるようになった歴史

そもそも「バイト」と「パート」はなぜ分けて使われるようになったのでしょうか?

まず、「バイト」の正式名称である「アルバイト」についてですが、元々はドイツ語で、「仕事」を指す言葉です。この言葉が、明治時代に学生が学業の傍らで行う仕事の隠語として使われ始め、徐々に広がっていったと言われています。このような背景から、学生が学業の合間に行う仕事をバイトと呼ぶ認識が広がったと考えられます。

対して「パート」の正式名称である「パートタイム」についてですが、正社員のように決められた時間全て働く「フルタイム」の対義語、限られた時間だけ働く働き方として使われました。

この言葉が広がり始めたきっかけが、百貨店などが主婦を対象にして、短時間勤務の職員を雇用し始めたのが始まりと言われています。このような背景から主婦が限られた時間働く仕事をパートと呼ぶ認識が広がったと考えられます。

バイトとパートの使い分けには歴史的な流れも関係していたのですね。

会社は求人でどのように使い分けているの?

会社の求人での呼び名は、世間のイメージに合わせているという話をしましたが、実際会社ではどのような使い分けをされているのでしょうか?

先述したように、使い分けの基準は会社ごとに行われており、その基準に合わせた名称を使用していることが多いです。例えば、以下のような定義が挙げられます。

  • バイトは高校生以上の学生が対象、パートは主婦が対象
  • バイトは比較的短期で働く仕事、パートは長期で働く仕事
  • バイトは夜間の勤務、パートは日中の勤務
  • パートは準社員に近い扱い

会社ごとの事情により意味合いは違うのですが、おおよそ世間のイメージに近い時間や勤務期間、仕事内容を基準として決められているようです。

このような定義で世に求人を出すことで、バイトとパートの受け取り方の違いが生まれているのです。会社ごとに定義が異なるのは応募側としてはややこしいですね。

バイト・パートに応募する時に気をつけるべき点は何?

以上のような事情から、法律とは関係ないところでバイトとパートに意味の違いが生まれてしまっているのですが、仕事に応募する側として非常に困るのが、それぞれの求人で定義がバラバラであることです。

自分の持つバイトとパートの認識と会社側の認識にずれが生じてしまっている場合、合格後に希望に合った働き方が出来ない、主婦がバイトに、もしくは学生がパートに応募しにくくなったりすることが起きてしまいます。バイトやパートに応募する際に何に気をつければよいのでしょうか?

バイト・パートという言葉でフィルタリングをしない

前にも述べましたが、バイトとパートは法律的には一緒なので、そもそも区別する必要はありません。なので、仕事を探す際はバイト・パートという言葉で自分が受けられる仕事か受けられない仕事か判別することをやめましょう。

仕事を探す時は、呼称に左右されずに応募条件や勤務条件、仕事内容に注目しましょう。それらの条件を加味してやりたい仕事を決めることが大事です。

求人の中には「バイト/パート募集」という風に両方の呼び方を使用した求人広告を出している会社もあります。その場合は会社の中で何らかの条件で区分されている可能性があります。その際は事前に電話で確認したり、面接時に質問したりした上で、自分はどちらで働きたいかを決めましょう。

バイト・パート探しも大事なのは名前じゃなくて中身!

いかがでしたでしょうか?世間のイメージや会社の求人事情というさまざまな要素が絡み合って少しややこしいことになっていましたが、バイト・パートの使い分けの理由をしっかり理解することで求人の見方も変わってきます。

バイトとパート、名前こそ違いますが基本的に中身は変わらないことが本記事でしっかり理解できたかと思います。なので、固定観念を持たずにしっかりと仕事を見ていくことが重要です!

「人間は外見よりも内面が大事」とよく言いますがバイト・パート探しもまったく同じことが言えます。仕事内容・勤務条件など仕事の中身をしっかり吟味して、自分が希望していた条件とマッチする理想のバイト・パートを見つけていきましょう!

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