裏バイト?あまり知られていない「治験バイト」を詳しく解説!

アルバイトを探す時の条件で絶対にチェックすることが「どれくらい稼げるか?」ということです。貴重な時間を使って働く以上しっかり稼げる仕事の方が良いですよね!そんなアルバイトの中でも一際稼げるアルバイトとして噂されているバイトが「治験バイト」です。でも治験バイトって、あんまりいい噂聞かないですよね?インターネットでも「裏バイト」「闇バイト」といった怪しい名称で紹介されていることもあり、ちょっと手を出すには怖いですよね…。

この記事では、怪しい仕事のイメージがある「治験バイト」とは本当に危険なものなのか?果たしてどういう事を行うアルバイトなのか?分からないことが多い治験バイトのあれこれについて詳しく紹介していきます!

目次

「治験バイト」ってどういうもの?怪しいバイトじゃないの?

そもそも「治験バイト」とはどういうアルバイトなのでしょうか?一般的に治験のアルバイトは知られておらず、私たちが見るようなアルバイト求人誌では見かけることがありません。そういう性質や「薬」を試すアルバイトであるという性質から「裏バイト」やら「闇バイト」なんて言われているのですが、実際そんなことは全くありません!

むしろ安全かつ社会貢献も出来る仕事であり、さらに報酬も高いという良いところがいっぱいの仕事なのです。まずは「治験バイト」がどういうものなのかについて明らかにしていきます。

「治験」とは新薬が厚生労働省に認可されるための臨床試験

「治験」とは、製薬会社が作った薬を厚生労働省から正式に認可してもらうために行われる臨床試験のことを言います。治験には3つのフェーズがあり、それら3つの結果を厚生労働省が「問題なし」と判断したら日本の新しい薬として承認されるのです。この3つのフェーズそれぞれで治験の協力者を募集して薬の効き目の確認や安全性の評価を行います。

私たちが病院で処方してもらっている薬も、かつては治験を通して効果があるのか、副作用があるのかなどの臨床データを取り、新薬として世に出てきました。そういう意味では治験とは実は身近なものであるとともに、医療の進展に寄与できるという点で社会貢献が出来る大切な仕事なのです。

治験における3つのフェーズと治験バイトの関係

前項で少し触れましたが、治験には3つのフェーズがあります。最初の治験は「フェーズ1」と呼ばれ、基本的に健康な方を対象として行われる治験になります。なので、健康な方で治験バイトをやってみよう!という方はフェーズ1の治験を受けることが多くなります。フェーズ1の治験では薬の安全性を確認することが主な目的になります。加えて、薬が体内での吸収・分布・代謝・排泄の動きをチェックする狙いもあります。

「フェーズ2」や「フェーズ3」では、フェーズ1で安全性と効果が確認された薬を用いて、病気を患っている方を対象に実施されます。治験を受けようと思っている方で病気を患っている方はこれらの治験を受けることになります。

フェーズ1・2・3をすべてクリアして初めて薬として認められます。フェーズが大きくなるにつれ参加する人数が数千人規模にまで大きくなります。薬が世に出るということはたくさんの手間や労力とたくさんの人の協力あってのものなのです。

治験は危険なの?治験バイトのリスクとは?

治験バイトは実は怪しいものではないということが分かっても、薬を試すという仕事はどうしても「もし副作用や後遺症が起こってしまったら…」など不安に思ってしまうものです。特に治験バイトにおけるリスクは不透明すぎて興味があっても手が出せない人はいます。果たして治験バイトは危険なものなのでしょうか?続いては、治験バイトの危険性やリスクについて解説していきます!

日本での治験はほぼ安全!副作用や後遺症のリスクはほぼ無い

結論から言うと、日本で行われる治験について言えば「ほぼ安全である」と言って良いでしょう。治験の実施にあたっては厚生労働省によって厳格な基準が設定されています。その厳格な基準に則って試験が行われるため、想定外のリスクは非常に少ないと考えられます。

加えて、現在日本で行われている治験のほとんどは既に他国で治験が完了している薬の日本での試験や既に日本で市販されている薬のジェネリック薬の試験、店頭や処方箋として扱われる直前の最終試験という3つのケースが多い現状にあります。なので、実際は既にある程度安全性や副作用・後遺症のリスクが確認されているものを改めて試験するというパターンが多いのです(もちろん例外もあります)。

また、治験では薬の使用者と未使用者の比較を公平な条件で行うために「プラセボ」と呼ばれる偽のビタミン薬を数人に飲ませることがあります。もしプラセボを飲む担当になっていた場合、結果的には薬を飲まずに報酬が貰えるというラッキーな結果になることもあります。こういった理由から、日本で行われている治験バイトはほぼ安全であるということが言えます!

問題が発生した時は手厚い対応を受けられるようになっている

以上のように治験にあたっては厚生労働省の厳格な指示のもと安全に実施されているのですが、それでも副作用や後遺症が発生するリスクは0パーセントではありません。もし治験中や治験後に副作用がみられたらすぐに中止し、医療スタッフから健康回復のための適切な処置が行われます。

また、基本的に製薬会社からの保証が出ますので、もし万が一のことが起こって入院が必要になった場合も医療手当や休業の保証金が支給されますので万が一の際の金銭面についてはあまり心配する必要はありません。

健康面のリスクに置いては、残念ながら「絶対安全!」と断言することは出来ません。なので、治験が行われる前には必ず事前説明会があり、そこで治験の対象となる薬についてかなり詳細に説明が行われます。また、「何かあった場合は責任を取り、保証を行います」という趣旨の契約書でしっかりと治験者とのお互いの同意が取れた上で治験が行われます。

健康面にも金銭面にも最大限配慮された上で治験は行われますので基本的な安全ではありますが、もし治験に興味がある場合は発生するかもしれないリスクを説明会でしっかり把握した上で参加するようにしましょう。

治験バイトの期間や応募が出来る条件とは?

それでは、治験バイトの具体的な内容について説明していきましょう。治験バイトは特殊な仕事であるので応募の際に条件が提示されます。この条件はある程度傾向があるので治験バイトに募集するのが難しい人や応募できない人が出てきます。

また、使う薬の種類や検査する項目などによって治験の日数も変化します。なので、仕事や授業がある会社員や学生は日程なども考慮して募集する必要があります。では、治験バイトの期間や応募条件などについて説明していきます!

治験期間は「日帰り」「通院」「長期入院」の3タイプ

まず、治験の種類は大きく分けて通院するものと入院するものがあり、通院でも複数回通うものと日帰りで済むものがあります。どちらのタイプも基本的には薬やサプリメントを服用して、その後の体調の変化を検査されるといった内容がほとんどです。

また、ほとんどの検査には採血が行われます。治験の内容によって検査の頻度や回数には差があります。通院するタイプの治験は比較的負担が軽いものが多いです。日帰りの場合は4〜5時間で済むこともあるようです。複数回通院を行う場合は内容によって数日から長くて1ヶ月以上定期的に通院する必要があります。また、期間中の生活にある程度の制限がかけられる場合があります。この制限が守れない場合は応募しても落ちる可能性がありますので注意しましょう。

入院するタイプの治験は基本的には1日から1ヶ月以上と内容により期間は異なります。期間中は他の被験者と一緒に入院することになり、しっかり時間管理された生活を送るようになります。起床・就寝・食事などの時間が決まっており、定期的な検査も実施されます。また、生活上の制限も通院よりも厳密に行われるようになります。

基本的に未成年が出来る治験バイトはほとんどない

学生の人は特に気になる治験バイトが受けられる年齢ですが、残念ながら基本的には「20歳以上の成人」が対象になっていることがほとんどです。ただ、全くないというわけではありません。ごくまれに「18歳以上」が対象になっている治験募集もあります。なので、探せば高校3年生以上は治験バイトが出来る可能性はあります!しかし、未成年の参加は基本的に親の同意が必要になるので、ちゃんと親の了解を取り、同意書にサインをもらう必要が出てくると考えておきましょう。

治験バイトを受けるのが難しい・応募できない条件もある

年齢以外にも治験という性質的に治験バイトに応募できない人や向いていない人が出てきますのでそれについても紹介しておきます。まず、治験は基本的に心身の健常者を対象としているため、極端に痩せている人や肥満の人は受けられない可能性があります。応募条件には肥満度の目安である「BMI」の許容範囲が指定されていますので、その範囲を上下する場合は応募が出来ません。ただ、肥満に関しては、肥満者対象の治験が少しですが募集されることもあるようです。

加えて、過去に重い疾患や手術歴があったり、アトピー性皮膚炎やアレルギーを持っていたりすると、検診で詳細を聞かれたり、採用の優先順位が下がることがあるようです他にも3ケ月以内に献血や輸血をしていた、妊娠中であった場合も治験を受けることは出来ません。

治験バイトを行うメリット・デメリットとは?

やはり特殊なアルバイトということもあり様々な制限がありますが、それでも毎回一定数の人が応募を行うアルバイトなので、それなりのメリットがあるのは事実です。もちろんメリットがあればデメリットも存在するのですが、デメリットを補って有り余るメリットがあるため、実はリピーターが多いアルバイトなのだそうです。それでは、治験バイトのメリット・デメリットについて紹介していきましょう!

最大の魅力は高額の報酬を手に入れられること

治験バイトの最大の魅力と言っても過言ではないメリットは何と言っても「高額報酬のアルバイト」であることです。治験バイトの報酬は基本的に日給制です。そしてその相場は1日あたり1〜2万円ほどになります。また、入院する治験は通院や日帰りよりも拘束時間が長くなるため日給が高くなります。より多くのお金を稼ぎたい場合は長期入院の募集案件を受けると10万円以上は稼げるかと思います。

医療的なサポートや健康的な生活を提供してもらえる

治験バイトは健康的な生活のためのサポートを無償で受けることが出来ます。治験の前には必ず事前検診があるので、無償で健康診断を受けることが出来ます。また、入院する場合は規則正しい生活リズムが身に付き、栄養管理された3食の食事が出されます。治験を受けた後に、かえって健康になった人や健康への意識が高まった人も多くいらっしゃるようですよ。とくに社会に出ると生活リズムが乱れがちになるので、高額報酬を得ながら自分の生活リズムを健康的に整えられるのは嬉しいメリットですね!

治験中の生活に一定の制限がかけられるのでストレスがかかる

次に治験バイトのデメリットについて紹介します。「健康的な生活のサポート」というメリットの裏返しにもなりますが、治験を受けている最中は普段の生活より制限されるものが多くなるため、ストレスがかかりやすくなるのがデメリットです。

通院でも入院でもよく行われるのは、「運動をせずに安静にすること」と「食事の制限(カフェインや油の多い食品など)」です。運動や食事によって血液検査に異常が出たりしてしまうため、殆どの場合で制限が求められます。また、喫煙や飲酒も制限がかかることも多いです。特に喫煙者が数日間タバコをやめることは大変ストレスがかかるので、お酒が大好きな人や喫煙者は短期間の案件を選ぶ方が良いでしょう。

加えて、入院の場合は規則正しい生活を送る必要があるため、食事は決められたものしか食べられません。夜更かしなど健康的な生活の妨げにもなるスマートフォンなどの使用にも制限がかかります。入院するタイプの治験は「静養」に近い状態でいる必要があるので、若い人にとってはストレスのたまる生活になることも考えられますね。

運動してしまったら再検査や期間延長の可能性が高いので注意

デメリットの中でも特に注意してほしいのが「運動」です。入院している場合は大丈夫かもしれませんが通院の場合は自己管理が求められます。自己管理と言っても安静にしておくだけなのですが、ちょっとだけなら…と運動してしまった、また自分ではそう思ってなくても運動にあたる動きを行っていた、ということが実際にあります。

もし運動を行ってしまい、血液検査で異常値が出てしまった場合、再検査や期間を延長することもあります。ストレスの貯まる生活がさらに長くなり、さらに異常値が出たということで製薬会社から何度も電話がかかってくるということも実際にあったようです。

検査日から期間を空けて運動すればいいと考えていても、血液検査の項目には雲合後の変化がすぐに平常値に戻らないものがあるのでほぼ確実にバレます!なので、絶対に運動はしないようにしましょう。普段の生活の中で「これは運動になるかも…」ということがあれば事前に聞いておくか、動いていい基準などを聞いておきましょう。

治験バイトはどのような流れで行われるの?

次に、具体的に治験バイトの登録から参加、そして終了までの一連の流れを紹介していきます。今までの解説を見ればわかりますが普通のバイトとは違う独特な流れとなっています。参加までの流れの中でもいくつか気をつけることがあり、注意点が守れなかったら場合によっては参加が難しくなることもあります。治験バイトを受けるにあたっての注意点もあわせて紹介していきますね。

治験サイトに登録・申し込み後、必ず説明会に参加する

まず、治験バイトを受けるには、治験が募集されているサイトに登録する必要があります。サイトの登録にあたって説明会や登録会が行われたりすることもあります。サイトに登録し、希望の治験に参加申し込みを行います。申し込みの際は募集要項に条件などが記載されているので必ず条件に合うかチェックして下さい。

応募が完了すると、続いて説明会が開催されますので必ず参加しましょう。ここで治験の内容や薬の詳細情報やリスクの説明が行われます。説明を聞いた時点で受けたくないと感じたらこの時点で辞退することも可能です。

ここで気をつけるべきことは、必ず参加することと遅刻をしないことです。特に入院する場合は集団生活になるため時間を守れない方は集団での治験に向かないと判断され、不合格になることもあります。同様に、サイトの登録会や説明会も不参加や遅刻で登録を認められないケースもあるので気をつけましょう。

健康診断が説明会直後に行われることもあるため、保険証は必携

説明会に参加したら、次に健康診断が行われます。説明会と健康診断が別日になることもあれば、説明会と合わせて実施する場合もあります。この健康診断の結果次第によって合否が決まります。健康診断として行われる項目は普段でも行われている尿検査や採血、心電図、医師による診察です。特に診察の時には気になることはしっかり話しておきましょう。

案件によって直後に健康診断がある場合もあり、契約書などにサインを求められる場合は身分証明が必要となります。医療サービスを受ける意味でも、身分証明という意味でも保険証は必ず持っていきましょう。免許証を持っていない学生は保険証が身分証明となります。

治験終了後、手渡しもしくは銀行振込にて報酬が支払われる

合格したら、治験の開始となります。先に説明したように様々な制限がかけられますが、必ず指示を守って生活をしましょう。指定の日数が終了したら、報酬が支払われます。報酬は最終日の検査終了後に直接手渡されるか、もしくは銀行への振り込みといった形で支払われます。ちなみに不合格になった方も、健康診断を受けた時点で交通費と健康診断の参加費分の報酬は手に入れることが出来ます。また、治験の途中で辞退した場合でもそれまで治験を行った日数分の報酬は支払われますので安心して下さいね。

治験バイトはどうやって見つけるの?安全な治験の探し方は?

これまでに治験の内容や流れについて細かく解説を行ってきました。最後に治験バイトをやるにあたって、安全な治験の探し方を紹介していきます。治験バイトを探すうえで気をつけて欲しいのが「詐欺サイト・不正サイト」の存在です。残念ながら治験の紹介サイトには詐欺サイトや不正サイトが存在している現状があります。そのようなサイトに引っかかってトラブルに巻き込まれないように、正しい治験サイトの選び方を紹介します!

治験バイトは医療ボランティアなので情報誌などには載らない

まず、なぜ治験バイトは表に出ない仕事なのかについて解説します。実は今まで「治験バイト」と表現してきた仕事ですが、実は治験は「医療ボランティア」の部類に入ります。そのためアルバイトの情報誌に出ることはありませんし、インターネットのアルバイト求人サイトにも掲載はされません。「裏バイト」と呼ばれているのはこういった理由を知らない人が誤解して発信したことが原因でしょう。応募の窓口は病院もしくは仲介会社の治験サイトで登録を行うという方法しか基本的には存在しないのです。

詐欺サイトの見分け方は「お金」を要求するかどうか

インターネットにしか窓口がないことで気をつけなければいけないのが詐欺サイトです。自分が見ているサイトが詐欺サイトであることを判断するポイントは大きく2つあります。ひとつめは「電話番号の表示がない」ことです。詐欺サイトは相手からの面倒を極力避けるために電話番号を表示していない、もしくは掲載していても電話に全くでない場合がほとんどです。ふたつめですが「お金の支払いを要求してくる」ことです。治験はボランティアなので、治験参加者がお金を支払うことは全くありません。しかし、詐欺サイトでは登録料や初期費用、年会費、仲介手数料など様々な名目で金銭の要求をしてきます。

大手サイトや「臨試協」に加盟したサイトを登録するのが安全

上記のような詐欺サイトに引っかからないための対策としては、いわゆる「大手サイト」と呼ばれるサイトがいくつかありますので、そこで登録するのがおすすめです。例えば国内最大手と言われているの「VOB(ボランティアバンク)」や「生活向上WEB」、「治験情報V-NET」、「JCVN」などは登録者数や実績も数多く、安心ともいえます。また、「臨試協(臨床試験受託事業協会)」という組織に加盟している仲介会社のサイトもあるので、加盟しているサイトを選んで登録するのも安全を第一に考えるのであればおすすめですよ。

治験バイトは怪しくない!正しく理解し、参加してみよう!

いかがでしたでしょうか?「裏バイト」のイメージがあった治験バイトですが、実は社会に貢献出来るうえに多額のお金を手に入れることが出来るとても好条件のバイトであることが分かったのではないでしょうか?もちろん色々と気をつけるべきことやデメリットがありますが、それをしっかり正しく理解することでトラブルなく治験バイトを行うことが出来ます。危険なアルバイトではないとわかっている人は少ないので、お金が必要な人や時間に融通が利く方には非常にチャンスです。興味があれば怖がらずにぜひ参加してみて下さいね!

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